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ジム・ヘンソン展(シアトル)での「フラグルロック」他のトークイベント紹介 [フラグルロック]

先月5月19日にシアトルで行われたジム・ヘンソン展プレミアイベントで、レッド役のKaren Prell (カレン・プレル)さんとブーバーやマットおじさん役のDave Goelz(デイブ・ゴールズ)さんがゲストで話している動画を2つ紹介します。

「フラグルロック」の他にも、お二人が操演している「ラビリンス」や「ダーク・クリスタル」等の撮影秘話、ジム・ヘンソンやマペットのこと、展覧会のこと等、色々語られています。


(動画は当然英語なので日本語に訳しますが、いつものように私の英語力問題で誤訳もあると思います。また長さ故に端折ったり意訳したり要約してる部分もあります。ご了承下さいませ)



まずひとつめ。

Celebrational Muppetational Spotlight Talk


しょっぱなからマイクテストだけで帰る素振りするお茶目なデイブさん。
「私がいくつか質問しその後お客さんからの質問になりますがいいですか」とインタビュアーに言われレッドの声で"Ready!" と答えるカレンさん(ノ≧∀≦)ノ
(以下敬称略)

ー パペッティアになろうとしたきっかけ -
カレン「子供のころマペット番組を見て感銘を受け、セサミストリートを録画して何度も見て真似した。図書館でパペットやパペッティアについて調べ、セサミのようなパペットを買ってバラして自分で作った。とにかくやりたかった」
デイブさんはセサミをテレビで見て自分でマペットを作り、フランク・オズと会いマペッツの仲間になった、ラッキーだった、ただ流れに乗った、運命的なものだと言っています。


ー フラグルロックの役作りについて -
インタビュアー「最も欠点のある役ですよね(←ブーバーのこと)」
デイブ「僕はキャラに僕自身の欠点を投影させて愛らしくする。マペットは愛らしいからね。フラグルの場合、脚本家のジェリー・ジュールがパペッティアに似せてキャラを作ってはいないって否定してた。何年もね。『ブーバーは僕が時々悲観的になるからに違いない』って言っても『いやいやそんなことない』って。でも最終的に『パペッティアをベースにして将来を見て書いた』って認めたよ」
カレン「私の場合オーディションではモーキーだったの。自分の性格がモーキーと似てるから。ジム・ヘンソンが私をレッド役に決めたと知ったときはショックだった。レッドと似てるところが自分にないと思ってたから。でもジムは私の中にレッドを感じたんだろうと思う」


ー 上からの指示なのかそれぞれが考えてやってたのか -
カレン「デイブはとてもオープンで色んなアイデアを出してた。よりよくするためにスクリプトも考えたしスタッフも私たちの意見を色々聞いてくれた」
デイブ「ジム自身が脚本家でありパペッティアでありワークショップだったからね。思い出すのはボニーが作ったリンク(胸毛と金のチェーンで男らしさを強調してるマペットのブタ)をジムがPig in Spaceに起用したこと。ワークショップでは常に色んなマペットを作っていてそれを適材適所に置くんだ。それが今でも続いてる。脚本家もスタッフもみんなで助け合い一番いいアイデアを探すんだ」


ー 一番自分らしいキャラは? -
カレン「予想してなかったけどフラグルロックが終わるころにはレッドが一番自分らしいと思った。自分のモーキーっぽさの中にエネルギーや情熱があるのが分かった」
デイブ「どのキャラも自分の一面がある。ブンゼンの細かいことに拘わって全体を見てないところとか。でも彼の思考は機械的で質問に何と答えるかは難しい。僕にとって一番気楽なのはゴンゾ。彼はグーフィだから何と答えてもいいしアドリブしやすい。他は多少なりとも頭使わなきゃならないもんね(笑)」


ー 「ラビリンス」のディディモスについて -
インタビュアー「お二人で一緒に演じてますよね?」
デイブ「そうだっけ?」
カレン「私が右手としっぽだったと思う」
デイブ「覚えてないや。この仕事始めた頃、ジムやフランクやジェリーにセサミについて聞いたりカウントのあのシーン好きですって言ったら覚えてないと言われて『セサミストリートですよ、みんな見てるのに、覚えてないんですか?!』って言ったことあるけど、自分がこの仕事を何年もやるようになったら忘れちゃうんだよ。だからみんなから僕の経歴を聞かなきゃ(笑)
ラビリンスはフラグルロックの最中で5か月休みを取ってイギリスで撮ったんだ。フラグルはテレビシリーズだから日に15ページ撮るけど、映画は一日に1ページ半くらいでペースが違う。同じシーンを角度を変えて何度も撮る。ディディモスのシーンは1週間くらいリハーサルがあった。思い出したよ(笑)3日で3つのシーン撮りで、音節ごとに動かして、ひとりはしっぽをを動かし、ひとりは目を瞬きさせるんだ。
僕がビーチチェア持ってきて脚本読んでたらディレクターにカクテルはいりませんかってからかわれたっけ。打ち上げではADから君をからかったのがいい思い出だって言われた。
話が長すぎてみんなを退屈させてしまったようだ(笑)」


ー 音楽シーンについて ー
カレン「ファイアリーのシーンは黒い布で覆われたセットで黒い服を着てやった。演じながら泥の外にキノコが生えて何週間か後には大きく育っていくのをずっと見てた(笑)あなたはよくイタズラしてたわよね」
デイブ「それは覚えてる。セカンドディレクターが3,2,1って言う瞬間に『オレの頬を噛め!』って言ったりね。すごく嫌がられてさ。休憩時間は何をするかずっと考えてたよ(笑)」

インタビュアー「音楽シーンは音楽を聞きながらやるんですか?」
カレン「ええ、スピーカーから音楽が流れるの」
デイブ「スピーカーを使うのは聞こえるからで、トースターだったら聞こえないだろ。口パクできるようにスピーカー使えって誰かが言ったんだ」
(このあたりからどんどんお茶目になるデイブさん(っ*≧▽≦)つあはは!)
インタビュアー「聞かなかったことにしましょう」


ー ディディモスは犬なのに犬に乗ってる件について -
デイブ「一種の皮肉。ディズニーにも喋る犬と喋れない犬がいるだろ。ゴンゾがディズニーに行った時に「どうして話せる犬が話せない犬に話しているんだ?」って聞いたことあるよ。思うにディディモスは犬だけどキツネじゃ話にならないからじゃない?キツネと犬じゃ話ができないのさ」
(デイブさんのユーモア回答にたじろぐインタビュアー(ノ∇≦*)
カレン「セカンドディレクターの気持ちが分かったでしょ?(笑)」
インタビュアー「もっといい質問がある方いますか?」


ここから客席からの質問

ー どうやって役になりきったか -
カレン「フラグルロックのレッドの時は始まる前にモーキー役のキャシーと話し合って練習した。対称的なモーキーとレッドの役割を掴んでよくしようとした。脚本をよく読んでキャラの背後にあるものや本当の意味を考えて準備するの」
デイブ「全く同感。別の観点から言うと、自分の中に既に答えがあるから、自分を信じることが大事」


ー ディディモスが乗っている犬は本物? パペット? -
デイブ「僕らの仕事の謎を解こうとしてる? 本物の犬だよ、シープドッグかな、それにそっくりのものを作ってディディモスを操演するのと、本物の犬に取り付ける機械式ディディモスがあって、犬が走るシーンは機械式ディディモス」
カレン「リモートコントロールで口を動かすの」
デイブ「秘密暴露しちゃダメだって(笑) 長時間は取り付けられないからツーショットの場面はパペットの犬にパペットのディディモスを乗せてる。でもこれはトップシークレット(笑)」


ー 何か声をやって -
デイブ「話す準備してるヤツ(ゴンゾ)があっちで待機している。へんだぞ(笑)」
インタビュアー「これからはあなたが変わりにやれば」
会場大ウケ

カレン(レッド)「みんなかわいくてイカしたレッドヘアーにするべきよ」
デイブ(ゴンゾ)「ぼくはゴンゾだ。でも本物じゃない。だってここにいないんだから」

デイブ「君たちラッキーだ。フランク・オズだったらやってくれないな。気難しくて神経質だから(笑)」
カレン「通常は私たちは操作しながら声もやるの。私がやった主なマペットはレッドだけど、あなたはたくさんあるわよね」
デイブ「3つある(笑) ジムはラビリンスやダーク・クリスタルをマペットとは別なものにしたくて別の人が声をやってみたけど最終的にはぼくたちが録音した」
カレン「ダーク・クリスタルは種族ごとに違う言語の予定だったの」
デイブ「最初のアイデアではスケクシク族やミスティック族それぞれ独特の言葉を話すようになっていた。でも観客は混乱すると思って後から英語で録音したんだ」


ー 水浸しになったパペットはダメにならないのか -
デイブ「マペットがしょっちゅう水浸しになってるけど使い物にならなくなったりしないのかってことだよね。雑に扱えるものがあったり、別に作ったり、素材にもよるな、フリースは比較的大丈夫だし。色々技術がある」
カレン「水泳好きのレッドにはスイミング用のものがあった。普通のは強く接着してあるけどスイミング用はドライヤーで乾かしやすいようにパーツに分けられるようになってた」
デイブ「溶ける接着剤使ったりね。
パペットの作り方技術で思い出した。マペットの目はワッキースタックスという球のおもちゃを使っていた。目玉にぴったりなんだ。ある日そのワッキースタックスが製造中止になると聞いて慌てて電話で5万個注文したんだ。トラックが来て僕たちは5万個をせっせと運び出した。車にスパゲッティを運ぶネズミみたいだったな(デイブさんのパートナーのデビーさんの児童書にそういうシーンがあるらしい) まだその在庫があるよ。
でもゴンゾの場合は同じ素材が手に入らなくなって元と似せてペイントして作ってるんだ。感心した?みんなリスペクトしてよね(笑)」



ふたつめ。
こちらも同日のイベントでのデイブさんとカレンさんのトークです。

フラグルロックの話をたくさんしていますが、レッド役のカレンさんが当時を思い出して涙ぐんでます。(パペッティア仲間を含むスタッフで亡くなった方が数名いるからだと思います)

(埋め込み無効なのでリンク先に飛んでくださいませ)
A Night With Karen Prell And Dave Goelz The Voices Behind Red And Goble From Fraggle Rock!!
https://youtu.be/YeIhD0uo3mE

先とは別のインタビュアーがこの展覧会にぴったりのゲストとしてふたりを紹介
カレンさんは子供のころからマペットやパペッティアのファンで、自作のパペットでコンタクトを取りオーディションを受けたこと、セサミに女性パペッティアとして入り、フラグルロックやラビリンス等に出るようになったそうです。
インタビュアー「デイブは演技やパペッティアのちゃんとしたトレーニングなしにパペットを作る側からいきなりパペッティアになったんですよね?」
デイブ「演技のトレーニングは受けたよ、HBスタジオで3時間だけ(笑)」
レオタードが無理で3時間でいいやと思ったって(ノ∇≦*)あはは!
デイブ「このジム・ヘンソン展はジムの軌跡であるのと同時に自分の軌跡にもなってる、ジムの哲学は人は善良で多種性を認めあうこと、それこそジムだ。今の時代にふさわしい」


ー どうしてジムの仕事やキャラクターや作品が世代を超えて長い間愛され続けるのか ー
デイブ「キャラが典型的で誰にも当てはまる正統派だから世界中に広まったんだと思う。ジムもパペッティアや演技のトレーニングはなかったしデザイン学校にも行かなかったけど自分を信じて功績を残したんだ」
カレン「どうして人々にこんなに長の間感動を与えるのかは分からないけど、言えるのは作り上げる過程で多くの人を結び付けたこと。彼はその人さえ予想していない部分を見て機会を与えそれまで成し遂げてないことをやったの。この展覧会ではそれがよく分かるわ」


ー ご自身が貢献したことは? -
カレン「ジムがフラグルロックの仕事をくれて、モーキーがやりたい私に正反対のレッドをやらせたけど、彼は正しかった。泳ぐ前は自分が泳げるか分からないものよね。彼は私がレッドをやれると見越してた」
インタビュアー「あなたはいきなり抜擢されてゴンゾや他のキャラを与えられてますがどうですか」
デイブ「ぼくは昔シリコンバレーで働いてて知的関心は満たされてたんだけど、感情的なものが欠けてると気づいた。セサミを見たら思わず自分でもパペットを作っていた。で今ここにいる」
インタビュアー「言うほど簡単じゃないですよね」
デイブ「うん。でも運命かな。ジムが人を探して僕たちがその一部になった。本当に好きなことを仕事にできたことに感謝してるしラッキーなことだね」


ー 歴史的に続くと感じてましたか? -
デイブ「子供時代にマリオネットや人形劇があって80年代には偏屈な老人がパペットを動かしてた。誰か死んで誰かが受け継ぐなんて考えたこともなかった。でも仕事始めて1、2年後にはライフワークだと思うようになった。みんな長い間一緒に仕事してる」
カレン「フラグルロックの仕事でステップアップする機会をもらった。デイブやジェリー等の素晴らしいパペッティアと同等に扱われたし、一緒に仕事している仲間のチームワークが素晴らしかった。トロントで撮影していたからスタッフは主にカナダ人でカナダのパペッティアもたくさんいて、脚本家やディレクターやプロデューサー、みんなで一丸となって4年間フラグルロックを作っていた。当時を思い出すと感傷的になっちゃう。(込み上げて涙声になってるカレンさん) 最初こそお互いを知らなくて対立もあったけど、お互い必要不可欠となってとても大事なチームになった。フラグルロック最終シーズンを見れば私たちがどんなに楽しくかつ信じあって仕事していたのか分かると思う」
(観客からの拍手)
デイブ「違う文化を持った人と働くことは豊かになる。フラグルロックはいろんな国の人が働いてたんだ」


ー フラグルロックはジムが常在していなかったが何か違いはあったか ー
デイブ「ジムは会社の顔。フランクは別の仕事がありジムはダーク・クリスタルの準備で忙しかった。それで僕たちに任せられることになって僕らは成長した。ジムは1・2か月に一回来てキャラをやったり監督したりしたよ」
カレン「ジムは私たちを信じて任せてくれた。人選後は細かい指示は出さなかった。クリエイトな仕事では珍しいわ。「信じてる。やってみて」って言ってた。それが結果的に素晴らしいものになった」
デイブ「珍しいと言えば、ジムは痩せっぽちで好きなデザートがピーカンパイだった。彼が食べたいあらゆる種類のピーカンパイが用意されてたのに太らなかったんだ(笑)」


ー マペットや関連の仕事で今までに何かお気に入りだったことは ー
カレン「ジェリー・ネルソンと一緒に仕事するのが本当に好きだった。(ゴーボー、セサミのカウント、マペットショーのフロイドやロビン役)
 フラグルロックにレッドとゴーボーが絶望的な状況に陥るシーンがあって、とても静かで感動的なシーンでね、それまでさんざんケンカしてるレッドとゴーボーだけど本当の友達同士で心から信頼しあってることを表す場面。脚本には数行のセリフしかなくてどう演技で見せようかと。お互い黙って見つめたあと頭同士をくっつけたの。言葉なんかいらなかった。撮影が終わるとジェリーと頷き合ってた。パペットの演技をしてるとそういうことが起こるの」
(カレンさんが話しているのはシーズン3の「Gobo's School for Explorers/規則をまもれば」ですね!私もこのシーン大好き!既にリスニングで取り上げましたので参考にしてください。60話『 Gobo's School for Explorers/規則をまもれば』その3

デイブ「ジムは働きづめだった。うまくいかなくて落ち込むこともあった。この仕事で好きなのは人が笑ってる時だとジムは言った。撮影で長時間仕事が続き夜中になって、みんな疲れすぎておかしくなったんだ。僕の場面の撮影中にジムの体が笑いを堪えて激しく揺れててさ、これじゃ出来ないって言ったらジムはミュージックスタンドの背後に隠れたんだ。顔は見えなかったけどジャケットが揺れてるのが丸見え。後ろのフランクもおかしくなってた。フランクが興奮するとピギーみたいに笑うんだ。そんなことがよくあったな。深刻になるほど笑っちゃうことが。そういうジムの好きなことは僕も好きだ」


ー この展覧会をどう思うか -
カレン「ビデオが揃ってて、自分が仕事する以前の初期のものからその後の進化の過程が見られる。パペットやビデオを見ると感動する。素晴らしい展覧会だわ」
デイブ「すごい仕事したのに忘れてる自分がいるよ(笑)こういう場所に来ると僕はあの場所にいたんだなあって思い出すし、僕が知らなかったこともある。経歴を見てるみたい。この展覧会は人生を表してる。展覧会を企画してるみんなに絶対お薦めだ。実にいい気分だね(笑)」




最後にこのジム・ヘンソン展のプレミアイベントの様子をまとめた動画を載せておきます。
展覧会の中の様子も分かります。

Celebrational Muppetational Highlights


数々のマペットが展示されているだけじゃなく、実際に動かしたり、マペットに目鼻髪を自由につけるコーナーもあるみたいです。
フラグルロックからはレッドとウェンブリーが展示されてます(⋈◍>◡<◍)。✧♡  
ウェンブリー役のスティーブが実際に装着していたヘッドマイクも展示されてるみたいですね。



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