" We want a puppet show! We want a puppet show! "

いきなりすみません。フラグルロック68話『The Incredible Shrinking Mokey 』でフラグルたちがこう連呼していて、頭から離れなくなりました。

フラグルロックは全96話ですが、中にはどうでもいい話もあって、この回はそのひとつ。もし何話か外すとしたら、私なら真っ先にこれと最終シーズンの水生フラグルが出てくる『Beyond the Pond』を外します(笑) 
ストーリーは魔法ウサギのベグーニーと友達になったモーキーが小さくなっていくというもの。ベグーニーは、モーキーの都合なんか全くお構いなしに、いつも自分のそばに置いておこうとします。フラグルロックには時々ワケのわからないキャラクターが唐突に出てくることがあるけれど、この回もそう。

この回の特別キャラ ごねるウサギ Begoony(ベグーニー)

ウサギが「ぼくには友達がいない。みんなぼくを嫌うんだー!」って泣いてるんですね。そりゃモーキーなら「私が友達になってあげる」と言うでしょう。「ぼくのことなんかだれも気にしてくれない」って言われれば「私が気にするわ」と言うでしょう。でもモーキーにはやらなきゃならない事があって出かけちゃう。するとウサギは「行かないで~!見捨てられたー!」って喚くんです。しょうがないから「何かあったらいつでも私を呼んでね」って言うんだけど、ちょっとしたことで「モーキー!モーキー!」って大声で呼ぶわけ。しかもこのウサギ、タチの悪いことに魔法でモーキーを人形の家のサイズに小さくしちゃうんです。
(DVD購入後の初見ではこの回に違和感を覚えました。これ何かに似てると思ったら、そうあれだ、「ガンバの冒険」でのウサギのピョンだ!違和感も同じ。「なんであそこであんなうざったいウサギ出してくるかなあ、ガンバの冒険は良作だけどあの話はなくてもいいんじゃないの~」っていう、そんなカンジ)



でも製作者が何の意図もなくこの話を作ったとは思えません。

日本版では「ほんとの友だち」というタイトルになっていて、これがこの回のテーマです。「相手に求めてばかりでは本当の友達とは言えない、友達はギブ&テイクだ」というテーマはとても分かりやすいです。でもこのテーマを描くなら、なにも新しいキャラクターを登場させる必要はないんじゃないでしょうか。モーキーとレッドの話でもいいしゴーボーとウェンブリーでもいいし、主役フラグル5人の中で話が展開できると思います。

ここで原題に注目してみると、『The Incredible Shrinking Mokey』なんですね。「縮みゆくモーキー」です。邦題と原題が全然違う。
実はこの原題に意味があるんです。この原題を見てピンと来る人もいるかもしれません。これ、映画にもなったSF小説「The Incredible Shrinking Man(縮ゆく人間)」 という作品のオマージュなんだそうで、それを知ってからはちょっと見方が変わってきました。あの人形の家は原作を模したものだと分かった次第です。

フラグルロックはフラグルとドーザー以外にも様々な生物が住んでいるファンタジー世界です。この話や人魚フラグルの話はフラグルロックの世界観を広げるための話なのかもしれません。

それでも、この回、私としては本筋はまあどうでもよくて(失礼)、それよりもフラグルたちがパペットショーをやろうとしている部分に注目しました。この回の楽しさはその一点に尽きると言っても過言ではないです(笑
この回注目すべきは、本筋とは全く関係のないゴーボーとブーバーとウェンブリーの3人です!
今回この3人はストーリーに殆ど絡んでいません。基本的にモーキーとレッドがメインで喋っていて、後ろの舞台裏で3人がずっとなにか呟いているだけです。何を言っているのかと思ったら、ひとりは劇中の台詞を繰り返し練習していて、ひとりは役に不満があるのかぶつぶつ言っていて、ひとりは自分のパペットをまるで生きてるみたいに扱ってるんです。つまりマペッティアのスティーヴさんとジェリーさんとデイブさんが実際のパペット練習風景をパロディにしてるじゃないかって思わせてくれるんです。この回はそれを楽しむためにあるんですね、きっと(ノ∇≦*)チガウ!


ちなみにベグーニーというキャラクターはこの話にしか出てきません。
(ただしマペットはマペット放送局やマペットのクリスマスキャロル(The Muppet Christmas Carol)やマペットの宝島(Muppet Treasure Island)やMopatop's Shop に出てきます。こういった使いまわしの場合、大抵はただのエキストラか、別の名前・性格になっています)
 
 マペット使いまわしの例


では、今回のリスニング

 『The Incredible Shrinking Mokey/ほんとの友だち 』(DVDシーズン3の4枚目)


------------------------ 日本語でストーリー紹介 ------------------------
パペットショーのリハーサルに遅れそうなモーキーとレッド。道中不思議な声を聞いたモーキーはレッドを先に行かせて音の正体を確かめに行く。それはウサギのような生き物ベグーニーが泣いている声だった。
友達がいないというベグーニーと友達になるモーキー。
モーキーはパペットショーのリハーサルに戻るものの、ベグーニーに呼び戻される。安心したベグーニーだけど、レッドがモーキーをリハーサルに連れ戻すと、ベグーニーは不安になり、自分の友達だから自分のそばにいなくちゃいけないとばかりにだんだん小さくなる魔法をモーキーにかけてしまう。
パペットショーのリハーサルはちっとも進まず、小道具の豆の木も探さなくちゃいけない中、再びベグーニーに呼び戻されるモーキー。人形の家を見たモーキーはカーテンがあった方がいいと感想を言う。
一度もリハーサルを通しでやらないままパペットショーの時間が迫り、みんなの前には更に小さくなったモーキーが現われる。そして「ベグーニーが呼んでるから行かなくちゃ」と出ていくモーキー。
ベグーニーはモーキーの好きなカーテンをつけたといい、モーキーを人形の家に閉じ込めてしまう。
レッドに助けられ逃げるモーキー。ドーザーサイズになったモーキーは、相手のことを考えない人とは友達でいたくないとベグーニーにきっぱりNOと言う。呪文が解けて元の大きさに戻ったモーキー。ベグーニーにはパペットショーに必要な豆の木を魔法で出してもらったのでした。



主役は勿論モーキー。ベグーニーが準主役です。


 ~ キーワード ~
 I don’t know. I really don’t know. 「分からない。分からないわ」
 take care of 「世話をする」「気にする」
 beanstalk 豆の木。ショーの小道具


前置きが長くなったので、本筋と舞台裏の2回に分けます。今回は本筋リスニングをやりますか。