フラグルロックはフラグル、ドーザー、ゴーグという姿形も文化も違う種族が出てきます。
基本的にフラグルとドーザーは無関心です。フラグルはドーザーのことを「働いてばかりで楽しみのない生物」、ドーザーはフラグルを「まぬけな下等生物」くらいにしか思っていません。ゴーグにとってはフラグルは虫同様単に「気持ち悪い生物」あるいは「捕まえて遊ぶもの」であり、それ故フラグルにとってゴーグは天敵。
お互い共通点があるなんて考えもしないし、理解しようともしません。

シーズン1の19話『The Great Radish Famine/ゴミーさまのねがいごと』では、ゴミーさまがフラグル、ドーザー、ゴーグの3種族には接点があることを分からせようとします。ゴミーさまが夢見るのは

 「種族が違うもの同士が理解しあう愛に溢れた世界」



でもそうはならないんだなあ~。

シリーズが進むにつれフラグル、ドーザー、ゴーグの関係が若干変わり、ドーザーのコッターピンがフラグルと仲良くなりますが、それでも種族を超えた感動的な友情物語にはなりません。フラグルであること、ドーザーであることが優先され、友情を深め合う物語があるわけではないんです。

早い話、フラグルロックは子ども番組にありがちな「種族が違うもの同士の心温かな交流物語」ではないんです。

だって全然違う種族なんだからそんな簡単に分かり合えるわけがない。でしょ?
我々の世界を旅しているマットおじさんのシーンを見ても分かるように、始終誤解だらけで、人間とフラグルのハートフルなシーンなんてないもんね。

フラグルロックのテーマはサークルオブライフ(Circle of Life) です。
「共に生きている」ということ。

それをフラグルロック流に言うと、 ハーモニー(Harmony) です。

フラグルロックは自分とは違う生き物がいるのが当たり前の世界です。
ある種族は遊んでばかり、ある種族は働いてばかり、ある種族は暴力的、お互い理解不可能な生物が雑多に生きている世界。そこには統治者もいません。理解できようができまいが、それぞれの種族が誇りを持ち、共に生きていることを当たり前に受け入れようということなんです。だってこの世は色んな生物でひとつのハーモニーになっているんだから。
オーケストラみたいなものですね。フルートとトランペットは全然違うし、バイオリンはどうやったってトロンボーンにはならない。でもいろんな楽器が調和すると、とても豊かな音楽を奏でることができる。
フラグルロックはとっても豊かな世界なんです。


そんなわけで、今回は 『The Great Radish Famine/ゴミー様のねがいごと』(コンプリートDVDシーズン1の4枚目)を取り上げます。

ゴミーさまはフラグルとドーザーとゴーグに共通点があることを分からせようとラディッシュを消してしまいます。
フラグルロックでラディッシュがなくなったら何が起こるのでしょうか?


【フラグル用語】
the Singing Caverns … シンギング洞窟(ゴーボーが探検に出かけた先)
radish mine … ラディッシュ炭鉱(ドーザーのラディッシュ採掘場の名前)
the Gorgs’ famous youth and beauty cream … ゴーグの若さと美のクリーム

【この回のキーフレーズ】
 listen up and listen tight … ちゃんとしっかり聞け
 Ashes! All is ashes!! … 全ておしまいだ

【この回のトリビア】
 ・ゴーボーが出てこない
 ・マットおじさんのハガキもなし
 ・ドーザーがラディッシュを原料に建築していることが分かる
 
 ヾ(❀╹◡╹)ノ゙?【注目】 ❀~?「どうしてゴーグにラディッシュが必要なのか?」
  → このエピソードでその理由が分かる

ちなみに、オリジナルタイトル『The Great Radish Famine』は、19世紀のアイルランドで起こった食糧飢饉 The Irish Potato Famine(ジャカイモ飢饉) をもじったものだそうです。


このエピソード、爆笑ですよ~っ(っ*≧▽≦)つ